取引先の担当者が部長になった、お世話になった上司が昇進した。花で祝おうと決めても、胡蝶蘭がいくらなら釣り合うのか、辞令の日に合わせて届けてよいのかで手が止まります。金額を左右するのは役職の高さよりも、相手が社外か社内かです。
昇進祝いの胡蝶蘭 相場早見表
次の表は、複数の公開情報の幅を重ねて整理した目安です。胡蝶蘭を贈る前提で読めるのは、いちばん上の取引先の行だけです。社内の相手には、胡蝶蘭が大げさになる場合があります(理由は後の章に書きました)。
| 贈る相手 | 金額の目安 | 贈るものの例 |
|---|---|---|
| 取引先(会社として贈る) | 20,000〜50,000円 | 大輪3本立ちの胡蝶蘭 |
| 上司(個人で贈る) | 3,000〜10,000円 | 花束、小ぶりなアレンジメント |
| 部署の連名(上司・同僚へ) | 10,000〜30,000円 | アレンジメント、小ぶりな3本立ち |
| 同僚・部下 | 3,000〜20,000円 | 花束、ギフト |
| 友人・知人 | 5,000〜10,000円 | 花束、ミディ胡蝶蘭 |
| 家族・親族 | 10,000〜30,000円 | 胡蝶蘭、花束 |
取引先の幅が広いのは、下限が小ぶりな3本立ち、上限が大輪3本立ちの上位帯に当たるためです。迷う場合は3万円前後が軸になります。根拠は次の章に並べました。
通販に出ている白の3本立ちを1つだけ見ておくと、花秘書の公式商品ページでは30輪(つぼみ含む)が税込29,150円、立て札は厚紙札が0円、木調ボードが550円の追加です(2026年10月26日時点・公式サイトで確認、商品ページ)。取引先向けの目安に収まる価格帯ですが、これは1店・1商品の例であり、相場そのものではありません。
出典によって金額が割れる理由
昇進祝いの相場は、情報源ごとにかなり違います。贈る相手の範囲や、花以外のギフトを含めるかどうかが違うためです。2026年10月26日に確認した4つのページを並べます。
| 出典 | 確認した時点 | 相手 | 金額 |
|---|---|---|---|
| オフィスギフト | 2026年3月16日公開 | 取引先 | 30,000〜50,000円 |
| 同上 | 同上 | 上司 | 5,000〜50,000円 |
| 日比谷花壇 | 2026年10月26日に確認 | 上司・同僚・取引先 | 3,000〜10,000円 |
| TANP | 2022年12月3日更新 | 職場の上司・同僚(個人) | 3,000〜10,000円 |
| e-denpo(就任祝い) | 2026年10月26日に確認 | 取引先 | 30,000〜50,000円以上 |
日比谷花壇は同じページで、法人向け胡蝶蘭の価格帯も示しています。大輪の3本立ては30,000円から、5本立ては50,000円から、小ぶりなミディ種は3,500〜30,000円です。昇進祝いの「上司・同僚・取引先は3,000〜10,000円」という目安は、胡蝶蘭の大輪を前提にしたものではなく、品物全般の目安だと読むのが自然です。
オフィスギフトは、取引先への昇進祝いを30,000〜50,000円とする一方で、あまり親しくない取引先には贈らない方が無難としています。贈るかどうかも、金額と同じくらい関係の深さで決まります。
e-denpoは就任祝いの記事ですが、取引先に贈る胡蝶蘭を30,000〜50,000円以上としており、取引先の昇進で大輪を選ぶ場合の上限側の参考になります。
これらを重ねると、取引先に大輪3本立ちを贈るなら30,000円前後を軸に、関係が浅ければ小ぶりな品で20,000円台、関係が深ければ50,000円前後まで、という幅になります。社内向けは3,000〜10,000円が個人の目安で、部署でまとめる場合は10,000〜30,000円とされています(オフィスギフト)。
昇進祝いと就任祝いはここが違う
昇進祝いは、社内で職位が上がる人への祝いです。課長から部長になる、といった場合が当たります。社長や取締役のように特定の役職に新しく就くときは就任祝いで、表書きも時期も変わります。就任祝いの金額・立て札・配送の詳細は、就任祝いの胡蝶蘭 相場・立て札の書き方にまとめています。
| 項目 | 昇進祝い | 就任祝い |
|---|---|---|
| 対象 | 社内の職位が上がる | 社長・取締役などに新しく就く |
| 表書き | 御昇進御祝、祝御昇進 | 御就任御祝、祝 御就任 |
| 届ける時期 | 辞令の発表後1〜2週間以内 | 就任日、または就任式の前日から当日の朝 |
| 水引(品物に掛ける場合) | 紅白の蝶結び | 紅白の蝶結び |
表書きと時期の出典は、オフィスギフト(2026年3月16日公開)です。昇進にともなう転勤の場合は、表書きを「御栄転御祝」とする例もあります。
昇進なのか就任なのか迷うのは、役員への昇格のように就任日が別に決まるケースです。この場合は、先方の案内状に「就任」とあるかを見て、就任日を基準にします。それでも決められないときは、表書きを「御祝」にしておけば用途を限定せずに済みます。
社内と社外で、贈り方はこう変わる
取引先には、会社として贈る
取引先への昇進祝いは、担当者個人ではなく会社名で贈るのが一般的です。立て札には自社の正式名称と贈り主の役職・氏名を入れます。胡蝶蘭は大きな鉢なので、届け先のオフィスに置き場所があるか、受付で預かってもらえるかも、金額と一緒に考えておく項目です。
関係が長い取引先であれば、大輪3本立ちが標準です。鉢の大きさや本数の違いは、胡蝶蘭の3本立ちと5本立ちの違いで比べられます。
上司には、個人か連名かで品物を変える
上司個人から贈るなら3,000〜10,000円が目安で、胡蝶蘭を選ぶほどの金額ではありません。リンベルのギフトコンシェルジュ(2025年6月27日更新)は、社員の昇進祝いに胡蝶蘭の鉢植えは大げさになるため注意が必要としています。社内の人には、花束やアレンジメントを選ぶ方が収まりがよい場面が多いでしょう。
部署の連名で10,000〜30,000円を出せるなら、小ぶりな3本立ちやアレンジメントが選べます。目上の人に現金を渡すのは一般に失礼とされているため(同じリンベルのページ)、現金は避けます。
個人で贈る場合は、ほかの人の目がない場所で渡すと相手が気を遣わずに済みます。
同僚・部下には、金額より「差が出ない」ことを優先する
同僚や部下への昇進祝いは、3,000〜20,000円が目安です。同じ昇進のタイミングで複数人に贈るなら、金額をそろえておきます。差がつくと、贈られなかった側に気を遣わせるためです。
届ける時期は辞令の発表後が基本
内示とは、辞令の前に本人へ内々に伝えられる人事のことです。リンベルは「内示の段階でお祝いするのはタブー」とし、正式な辞令から1週間を目安に贈るとしています。オフィスギフトは辞令の発表後1〜2週間以内、TANPは正式発表から1週間以内で遅くとも2週間以内です。
3つの出典で幅はありますが、発表直後から2週間の間という点は重なっています。発表の当日から数日は、引き継ぎで席を空けがちな時期です。胡蝶蘭のように大きな鉢は、受け取れる人がいる日を選ばないと置き場に困ります。
| 状況 | 届け方の考え方 |
|---|---|
| 辞令の発表が出た | 発表の翌日から2週間以内で、先方が出社している日を選ぶ |
| 発表後すでに2週間を過ぎた | 先方の都合を確認して、早めに手配する |
| 内示だけ分かっている | 贈らない(発表を待つ) |
| 就任式がある(就任祝い) | 前日から当日の朝(就任祝いの記事を参照) |
胡蝶蘭は生花なので、休日や長期休暇の直前に届くと水やりの手間が生じます。配送日は営業日で、先方の担当者に受け取りの可否を伝えてから決めましょう。
昇進祝いの立て札の書き方
胡蝶蘭には、のし紙ではなく立て札を付けるのが一般的です。立て札の頭書きは、昇進祝いなら「祝 御昇進」または「御昇進御祝」を使います(TANP、リンベルの表書きと同じ文言)。のし紙を掛ける品物を贈るときは、紅白の蝶結びの水引に、同じ表書きを書きます。
贈り主の欄には、会社名・役職・氏名を書きます。日比谷花壇の立札解説(2026年10月26日に確認)は、昇進・昇格・就任祝いでは贈り先の会社名・役職・氏名も記載すると、誰へのお祝いかが分かりやすいとしています。同じ役職者が複数いるときに有効です。
OK:昇進祝いの立て札
- 頭書きは「祝 御昇進」
- 辞令後の新しい役職名で宛名を書く
- 自社名は「(株)」と略さず正式名称
- 連名は、格上の人を中央に置く
NG:避けたい立て札
- 昇進前の古い役職名のまま書く
- 就任祝いの「祝 御就任」を使い回す
- 内示で聞いた役職名を先に書く
- 社名・氏名を通称で書く
連名の書き方は、TANPによると3人までは格上・年長の人を中央に、4人以上は中央に代表者の氏名を書き、左に「外一同」か「〇〇部一同」を添えます。胡蝶蘭の立て札では文字数に限りがあるため、人数が多いときは部署名でまとめるほうが読みやすくなります。立て札全般の例文は、胡蝶蘭の立て札の書き方に載せています。
立て札の文言や配置は店ごとに異なるため、日比谷花壇も、詳細は依頼する店に確認するよう勧めています。
予算に合わせて胡蝶蘭を選ぶ
通販での注文は、予算、届け先の置き場所、立て札の入力方法で選びます。以降は、2026年10月26日時点で公式サイトの掲載を確認した商品例です。商品ごとに輪数や高さが違うため、価格だけで優劣は決まりません。
1万円台から始めるなら
HitoHanaは、公式の3本立ち掲載ページで白の大輪21輪前後を13,200円と案内しています(2026年10月26日時点・公式サイトで確認)。取引先に贈るには小ぶりな部類で、関係が浅い相手や、部署の連名で出す場合の候補です。送料や立て札の条件は商品ページで確かめてください。
2万円台で、胡蝶蘭専門店から選ぶなら
オーキッドファンは、大輪3本立ての白(約28〜35輪)を税込22,000円で掲載しています。立て札は紙札とメッセージカードが無料で、木札は648円です。送料は本州・四国が無料で、北海道・九州は1,080円、沖縄は3,240円と案内されています(2026年10月26日時点・公式サイトで確認、商品ページ)。注文は13時までにインターネットで行うと最短の配送になりますが、繁忙期は数日前に受付を止める場合があるとも書かれています。
3万円前後で、立て札の文言をWebで確認するなら
取引先向けの軸にしたい3万円前後では、花秘書の3本立ち(前の章で見た29,150円の例)が候補になります。花秘書はWebでの注文が前提で、立て札の頭書きと贈り主名を注文画面で指定する形式です。サービスの特徴や、希望日に届けるための注意点は花秘書の評判・特徴で整理しています。
いくつか見比べてから決めたいなら
PREMIER GARDENは、胡蝶蘭のほかにも幅広いフラワーギフトを扱う通販サイトです。価格・送料・立て札の条件は商品ごとに違うため、気になる商品の公式ページで税込の合計額を確認します。4社の条件を並べた比較は開店祝いの胡蝶蘭 通販おすすめ4選にあります。開店祝い向けの記事ですが、通販で見るべき項目は昇進祝いでも同じです。
本文で触れなかった疑問
異動をともなう栄転のときは、表書きと届け先をどうしますか
表書きは「御栄転御祝」とする例があります(オフィスギフト)。届け先は、異動前の部署か異動先かで受け取れる人が変わるため、先方の担当者に確認してから決めます。
お返しは必要ですか
アロンアロン(2017年1月18日公開)は、昇進祝いへのお返しは原則不要としています。贈る側は、メッセージカードに「お返しのお気遣いはご不要です」と添えると、先方の負担が減ります。
取引先が、贈り物を受け取らない会社だったら
社内規程で贈答品を受け取れない会社があります。注文前に担当者へ受け取りの可否を尋ね、難しい場合はメールや電話でお祝いの言葉だけを伝えます。
まとめ
胡蝶蘭を贈るのは取引先の昇進までと考えて、社内の上司・同僚には花束やアレンジメントを選びます。次の行動は、先方の辞令がいつ正式に発表されるかを担当者に確かめ、届く日を発表後2週間以内に決めることです。



